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  • 所長挨拶

  • 教職課程センター所長 河野武司(法学部教授)

 慶應義塾における教員養成の理念は、創設者・福澤諭吉の理念と志を受け継ぎ、次のような「剛毅の心」と「柔和の心」を併せ持ったうえで、科学的知性を備えた自立した職業人になるという高い志を持つ者を育てるということにあります。「剛毅の心」とは、自己の尊厳を守り、何事も自己の判断と責任のもとに行動するということに他なりません。また「柔和の心」とは、他人もまた己と同じく独立した個人であるということに配慮し、他人を尊重するということです。このような理念を実現していくにあたって根幹となるのが、次に紹介する三つの取り組みです。
 第一に、「総合的な教養教育の重視」です。多くの大学が教職課程を1年からスタートさせています。しかし、慶應義塾の教職課程は2年から始まります。慶應義塾が教職課程を2年からスタートさせるのは、教師たる者は、成熟した市民としての教養をまずはしっかりと身につけておく必要があると考えるからに他なりません。幅広い知識を持つことは、教育の仕事に従事する者にとって、欠かすことのできない前提条件です。
 第二の取り組みは、高度な専門教育の実施です。「開放制教員養成」の理念の下、学生諸君がそれぞれ所属する学部で学ぶ高度な専門教育は、将来教師として創造していかなければならない教科の指導内容のバックグランドとなるだけではなく、生徒たちを授業に惹きつける力となります。各学部で学んだ専門的な事柄が本当に身についているか否かを確かめるために本学では、実力テストを実施しています。この実力テストに合格した者だけに教育実習の履修を認めるということを通して、実習教科の内容に関する品質保証を確実なものとしています。
 第三に、教職課程を運営していくにあたって、センター方式を採用していることです。慶應義塾大学は教員養成のために特化した学部を設置していません。その代わりに、慶應義塾における教員養成の役割を担うための全塾的な組織として創設されているのが、「教職課程センター」です。1983年に設置されて以来、当センターで学び教員免許を取得した学生諸君の内、少なからずの卒業生が中・高の教員として活躍しています。このような教職課程センターの運営に、中心的な役割を担っているのが、6名の専任教員と4名の事務職員です。また各学部からは学務委員が選出され、センターとしての意思決定機関である学務委員会を構成しています。三田・日吉・矢上・湘南藤沢の各キャンパスに在籍する学生は、2年次からセンターに登録することで、誰でも教職課程センターが設置する科目を履修し、同センター所属の専任教員の指導により、教員免許を取得する機会をもつことができます。現在では毎年300人前後の学生が教員免許の取得を目指して教職課程センターに登録します。その内で最終的に免許を取得できるのは、150人前後で、最終的に実際に教員として採用されているのは30人前後です。
 われわれ教職員は、こうしたきわめて特色のある慶應義塾の教職課程センターから、教員を目指す優れた学生が少しでも多く育ち、巣立っていくことを願っています。そのためにも教職課程の一層の充実は必要不可欠と考えています。

                            2016年4月11日